10月観劇まとめ

「宝塚月組 エリザベート

 

宝塚千秋楽をLVで。

9月に劇場で観たときも思ったけど、お芝居部分がいい。LVなので細かい所までよく見えておもしろかった。「ルドルフの棺」と「夜のボート」のシーンで美弥フランツが愛希シシィの腕をつかもうする度、見事にすり抜けていて、もう辛い・・・そして珠希トートの包容力が凄まじい!死なのに安らぎを感じさせる、安らぎを感じさせて油断させおいて、本当は暴力的なんだ!という解釈もおもしろいかなと思ったけど、珠希さんはそんなダークな感じは一ミリもなかった。

何回も観ているのでもうさすがに飽きるかなと思うけど、観る度新しさを感じられて楽しい(さすがの芝居力)今回のエリザでは海月さんと輝月さんの演技が特に好みだった。それと、ドアップになった時の月城ルキーニの顔面の美しさが群を抜いていた。(他の方も美しいんだけど、彼女の美しさは整っていて、万人が認める系だなと)

 

 「宝塚宙組 白鷺の城/異人たちのルネサンス

「白鷺の城」

 花組「雪華抄」で和物ショーって素敵だと思っていたので、わくわくしつつ。

以下私の心の中。

「なんとなーくストーリーがあるんだな」

「えっ!時代が交錯してる?うん?」

「おっ!父母が安倍晴明なんだな!ほうほう・・・」

「あっ!これ、転生の物語か!」

「結ばれる?!あっ死んじゃった!えっ!」

「また転生?うんうん。えっ!これで終わり?」

「ほんとに終わっちゃう?終わりなんだ・・・まじで・・・」

星風さんのちょっとツンツンした声が好きだった。

 

「異人たちのルネサンス

 

 登場人物全員からいろんな愛を向けられるヒロイン。真風ダヴィンチがひたすら魅力的!に描かれていたらいいのだけど、彼のヒロインへの愛も、あくまで理想のヒロイン像を押しつけちゃってる感じがあって残念。主演お二人の力業でラブストーリーらしくなっていたけど、脚本だけみるとラブストーリーなのか不明。

芹香さんがどちらとも色気たっぷりで目を惹いた。そしてフィナーレの群舞が素敵すぎた。ショーとお芝居をすべて忘れてしまう勢い。フィナーレだけリピートしたかった・・・

 

「メタルマクベス disc2」

 

東京まで遠征する余裕がなく、LVで。

尾上松也さんを歌舞伎以外で観るのは初めて。大原櫻子さんもほぼ初めて。

disc1と比べて若いカップル。濱めぐさんローズは夫の成功を願い、最後のチャンスとばかりにマクベスを唆すようだったけど、大原ローズは気まぐれに王妃になることを望んだ感じ。その分、後半の展開はしんどい。軽い気持ちでしたことが、予想もしない悲劇につながる苦しさだった。(disc1は決意して行ったけど、それを超える悲劇につながた感じ)

大原さんの歌唱力をもっと生かして欲しかった、というかもっと聴いてみたかった。徳永さんの演歌調の歌はおもしろかった。強いて言うなら、もっとパンチが欲しかったかな~。全体的に「メタル」を感じる瞬間は少なめ。

尾上さんは歌舞伎で観ると、他の役者さんとの違い(たぶん年齢とか経験とか)を強く感じて、なんだか舞台上で浮いている感じだったけど・・・新感線との相性はいいなあと。他作品での再登板も期待できそう。そしてLVなので、ドアップの顔を見ていると、「端正な顔だし、染五郎(現幸四郎さん)に似てない?!」と驚いた。

disc1.2を観たのだから、disc3も観たい。浦井さんのマクベス楽しみ。

 

 

  「ジャージーボーイズ」whiteバージョン

 

中川晃教さん目立てで観劇。相変わらず人並み外れた歌唱力で、この人なしに「ジャージーボーイズ」はできなかったんだろうなと。喉の強さなのかなあ、とにかく人の声の可能性を感じた。舞台装置や演出もすごく工夫があって、おしゃれで観ていて飽きない!春夏秋冬、どの季節にも魅力があるように、フォーシーズンズの4人全員に魅力があった。

特にトミーの行動を冷静に考えれば、「この人ダメすぎる・・・」と思うんだけど(それに最初のシーンから見えるヤンキー特有の俺!俺!な感じ)、中河内さんが演じているからなのか、そういうことってあるよねと思わせられた(無理だけどね)いやー、フランキーなんで借金肩代わりするなんて言っちゃうの!ダメ絶対!と思うんだけど、それが「ジャージー」なんだろうか。

だんだんメンバーが減り、大ヒット曲を得て、スポットライトに照らされる時フランキーはたった1人。キラキラと美しいミラーボールが切ない。成功と幸せは同時にやってこない。それでもフランキーの歌声は人を引きつける魅力に溢れているし、その魅力はどんどん増していくようで。内容を観て胸は苦しいのに、耳から聞こえる歌声があまりに甘美で、中毒性の強いミュージカルだった。チケットと時間があれば、追加したかった。

今回初めましての海宝直人さん。歌が抜群。お芝居もお上手。端正な雰囲気。素敵でした。またどこかで観たいし、きっとまたお会いできる気がする。

 

 

「RE:VOLVER」 

 

脚本演出の吉谷さんの舞台は「スタミュ」で観て、結構好みだった。 なので、期待しつつ。 2.5ではなくオリジナルということだったけど、少年漫画のような主人公とその仲間の話。 この人って少年心を持った人なんだなあ

回想シーンと現在が工作交錯して進んでいく脚本と演出はかなりスピード感があって爽快! 最後の展開はまるで「ノアの箱船」のようでいて、「ONEPIECE」を彷彿とさせるよう。 自分ではどうしようもできない、どこにも持って行きようもない青臭くて泥臭い若い気持ちをいろんなパターン(登場人物)で見せられたけど、 どれも私には顕在しなかった(しなくてすんだ)気持ちで、どこか憧れる(叶うはずがないからこそ望む)気持ちな気がした。だから少年漫画だと思ったかも。 殺陣もたくさんあって、アンサンブルの使い方もおもしろくて、ずっとどきどきはらはらさせられた。

安西慎太郎さんの声の出し方が好き。もちろん役自体も重要(主人公の相手役だから)なのだけど、それ以上の存在感。 安西さん演じる「アラキ」の物語だとほどだった。また彼のお芝居を観たい。