2019年1月まとめ
1月4日・27日宝塚星組「霧深きエルベのほとり/エストレージャス」
宝塚星組で観劇はじめ 。
上田久美子脚本にはいつもべたべたに泣かされてきていたので(特に星逢)めちゃくちゃ気合いを入れて席に座る。
なぜなら初宝塚で観劇オタクでもない友人と一緒なので、横でびょーびょー涙を流してたらびびるよね・・・という配慮。
タイトルの出し方が好き!ビール祭りの楽しすぎる衣装(ビールのコスプレのやつ)を観ながら「あぁタカラヅカを観ているんだなあ」としみじみ。 それにしても紅さんとあーちゃんが可愛すぎて、ふたりで肘をついてほほえみあっている場面とプロポーズの場面はにやにやが止まらなかった、圧倒的に可愛いもの を見ると顔が調整できなくなるみたい。 ただ久美子脚本のわりにいけるかも!って思ってた私がばかだった、「僕が文士だったら」の台詞から酒場でカールが本心を語るシーンでダダ泣き。
とても美しい言葉がちりばめられていて、すっごく余韻たっぷりでビール祭りの間のほんのひとときの出来事のように描かれていながら、時間の流れに余裕を感じる味 わい深い作品。 終演後、友人と「ふか」って久しぶりに聞いたよね!というか生で聞いたの初めてかも!とあらすじよりもなにより「ふか」が話題になったのが新鮮だった
エストレージャスはJーPOP多用に驚いた、まあ逆説的に宝塚のオリジナル曲のありがたみをかんじる
いつもならオリジナル曲の歌詞の意味不明さに笑うとこだけど、ないと宝塚のレビューをみている感じが減っちゃって残念、勝手なファンです
やさぐれた世界みたいな歌詞の場面(ヤヌスの鏡?)は、この後やさぐれ解消の何かしらが起こるのかと思ってたらやさぐれたまま終わってた。
とりあえず礼真琴さんが歌、ダンスの技術で抜きんでてて圧倒された。この人なんでもできるんだ~とごく当たり前の感想。
あーちゃんが何を着ても可愛くて、可愛いと具現化した一つのパターンがあーちゃんなのね~とぼんやり考えてたら、終わった。
2回目の27日は有紗瞳さん演じるシュザンヌが前よりなじんでいて、よかった。初めて見たときはフロリアンに突然好きといったり、シュラック家の霧は深い的発言がちょっと浮いているように感じて、この子どうしたの?と正直思っていた。でもこの子どうしたの?と思わせるのが味噌なんだよね、たぶん。みんなそれぞれ賢明に生きている感じや、周りを俯瞰的にみる瞬間もあれば、ただ目の前しか見えない瞬間もある。そう思わされるなかなか興味深い人物だった
マルギットとは雰囲気の違う姉妹で、どんな姉妹の会話をするのかなと。
1月19日「スリル・ミー」
スリルミー好きの友人に誘われ初観劇。柿澤彼松下私。
始まりの静寂がなかなかな静寂で、まだ始まってもないのに呼吸をするのも憚られるくらい。 その時点でめちゃくちゃ緊張した。観劇でここまで緊張するのは久しぶり。(いつ以来だろう・・・考えたらイキウメの「散歩する侵略者」くらいかなあ、あれは小さい劇場だからってこともあるので、ブリーゼ規模であそこまで静寂になることが新鮮だった)まるで観客などいないかのようなステージの進行にただただ引き込まれた。とにかく雰囲気を壊したくないから、息をのむこともただ呼吸することも遠慮するような気分。それなのに生唾を飲むシーンが多くて困った。
それとなぜかミュージカルだということを忘れていて、めっちゃ歌うなんやなーをぼーっと見た。ぼーっとしていたけど、恐ろしいほどこころはかき乱されていたらしく、スリルミースリルミーという歌詞と、誘拐するときの彼の様子、裁判の後の私がときどきフラッシュバックする。
二人の関係は共依存ぽかった。相手のことを自分の都合の良いようにしか見ていないけど、相手がいることで自分を保っているような。職場に共依存的関係をしている人がいて、近くにいるものとしてはすごくストレスフルなこともあって、そう思うとどん引きしつつ、舞台そのものには引き込まれた。
結末までみると、もう一回最初から見たい!と思わせられて・・・再演希望です
いろんなペアで定期的にやって欲しい演目ですね、これ。(「定期的にやっている」という事実が結構救いになるタイプのやつ。)
松下洸平さん初めて拝見。どんな色にも染まれそうな雰囲気で、またどこかで見たいなあ。柿澤さんは何回か拝見しているけど、思ったより体格いいのか、松下さんが小柄なのかよく分からなかった。相変わらず歌が上手い。それにしても誘拐シーンが気持ち悪いほど(ほめている)変人だった。ニーチェの神についての発言がデスノートを思い出させてくれて、内心笑った。この人よく神発言するよね・・・って感じで。
とりあえず2019年しょっぱなから、かなり好みの舞台を見られて満足。
12月まとめ
新感線「メタルマクベス」
浦井さんの顔が良かった、長澤まさみのショートヘア?が可愛かった、スタイルが良かった(感想か?)
「髑髏城」も好きだったけど、ちょっと陰のある「メタマク」の方が好きだとようやく気づいた。エリザベートパロが多くて、何度も顔がにやけた
宝塚雪組「ファントム」
朝美伯爵、彩凪ショレバージョンを観劇。
彩凪伯爵は生まれながらの伯爵で、天性の明るさで人たらし、女性に
朝美伯爵は事業に成功してお金を得たちょっとぎらぎらが見える伯爵、女の人からもてているのも自覚。
どちらの伯爵も魅力的。
望海さんと真彩さんの歌は言うまでもなく素晴らしく、雪組「ファントム」を劇場で観劇できたことに心底感謝。
望海さんと真彩さんの関係そのものが、エリックとクリスティーヌに重なって見えた・・・
宝塚花組「Delight Holiday」LV
楽しいし、上手し、きらきらしてるし、クリスマス前にぴったりのショーで、花組さんの充実っぷりが映画館の画面越しにも伝わってきた。仙名さんの魅力が爆発していた。
世間に疎すぎて、12月初旬の忘年会で初めて「U・S・A」のダンスを見たけど、花組さんのものとあまりにかけ離れていて、いったい何が正しいのか分からず、混乱した(その後、紅白で本物を見た)
「スカイライト」兵庫芸術劇場
小川絵梨子さん演出。かつて愛し合った2人がお互いの気持ちをほんの一言言うためには何時間も必要で、何時間も話している会話中にどうしてもわかり合えない現実が感じられた。男と女の隔絶というより、生活していく上で何を大切にしたいか、何に依りかかるのかという違い。(依らざるを得ないかを含め・・・)
一瞬ふれあえたかのように思えても、その後続く道は全く違うもの。イギリスを舞台としていながら、現代の日本の格差社会をも彷彿とさせていて、示唆に富んだ戯曲で、おもしろかった!
蒼井優さんの声も聴きやすく、時間を感じさせないお芝居。息子役の葉山奨之がいてくれてほっとした、彼の役が存在したことで、最後の最後の私のこころは少し救われた。
最前列で観るという幸福。保坂知寿さん演じるダンヴァース夫人が怖すぎて・・・そして圧倒的な支配力・・・さすがでした。
大塚千弘さん演じる「わたし」の恐がりっぷりと守ってあげたくなるはかなさが対比的。ストーリーもどきどきはらはらの連続。 「わたし」が真実を知ってからの豹変が見事で「愛」の力の善悪を超えた凄さを見せつけられた
それにしても大塚さんが可愛くて・・・声もありません
2018まとめ
1月
②新感線「髑髏城の七人 下弦の月」
①人ならざるものの美しさと孤独を表現しきった明日海さんに感嘆した観劇始め。お正月らしく宝塚ナイズされた華やかさもあってよかった。「人に生まれて、人ではなくなり、愛の在処を見失った」というフレーズが印象的だった。
2月
①虚構の劇団「もうひとつの地球の歩き方」
②宝塚星組「ドクトルジバゴ」
③「戯伝写楽」
④office SHIKA「おたまじゃくし」
⑤宝塚月組「カンパニー/BADDY」
②くらっちこと、有沙瞳さん演じる「ラーラ」がやっかいな男にばかり愛されていて、本当に気の毒だった。たぶん映画だともう少し癖のある女性なんだろうけど、彼女が演じると高潔さがあった。良いお芝居だった。
⑤BADDYが楽しかった!!!めまぐるしくて、ひどく疲れたけど、エンターテイメントとして100%快楽だけを与えてくれるわけではなく、ざらっとしたわだかまりや矛盾を浮き彫りにした脚本にやられた。それを楽しみながら感じされられるのがタカラヅカらしくなく、新鮮だった!美弥さんを知ってしまった公演。
3月
①「ブロードウェイと銃弾」
②「岸 リトラル」
②斬新な演出に驚いた、レバノンのことを知らずに生きてきたんだと実感したし、それを知らずに生きられたことは不幸であり幸福、いい意味でも悪い意味でも「奇跡」だと思った。「奇跡」という言葉に出会うたび、ふとこのお芝居を思い出す。
4月
①「ワンピース歌舞伎」
②新感線「修羅天魔」
③宝塚星組「ANOTHERWORLD/キラールージュ」
②天海祐希がかっこよかった! こんなかっこよい人を観られてただただ幸せ!
5月
①ナイロン100℃「百年の秘密」
②「メリーポピンズ」
③宝塚花組「あかねさす/サンテ」
①長いお芝居だったけど、最後の最後までどきどきはらはらしながら、飽きることなく。少女から老女まで演じた犬山イヌコさんと峯村リエさんに圧倒された。
②大好き!!!!!再演が待ち遠しい!!!!!!とにかく元気をもらえた!!!!!!!
「大きな声で言えば完璧!スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス !」
「どんなことでもできる 自分がジャマしなければ」
歌詞も希望に満ちていて、劇場を出る時には入る時より絶対元気!!
舞台セットも演出もすべて素敵だった!
③額田大王役の仙名彩世さんのすばらしさにひれ伏した
6月
①イキウメ「図書館的人生 襲ってくるもの」
②「凱旋門」タカラヅカらしいかと言われると地味かもしれない。でも私は好きだった、それに曲、セットも素敵。好みだった。ガートボニートはトップコンビの歌の掛け合いが楽しく、血がたぎった!一幕と二幕の組み合わせがちょーどよい塩梅だなと。
7月
②七月大歌舞伎「御浜御殿綱豊卿」「女殺油地獄」
③宝塚月組「愛聖女」
④「M!」
⑤シスカンパニー「お蘭、登場」
⑥スタミュ
⑧宝塚宙組「WestSideStory」
狂ったように観劇を繰り返した月
④「M!」の歌はやはり素晴らしいなと再認識しつつ、誰かヴォルフガングにぴったりの新しい俳優さんがでてきてくれたらいいな~と願った。観たいよね!度肝を抜かれるようなヴォルフガング
⑥信じられないくらい暑い日に信じられないくらい熱い舞台を観た!青春を舞台上に具現化したらこうなるんだなと実感!
8月
①新感線「メタルマクベス Disc1」
①脚本も演出もすべて好み!いろんな「マクベス」を観たけどコレ好きだわ
③ボートのシーンがとても良かった!シーンごとに好きな「エリザベート」があるのも、それはそれで良きかな。「最終答弁」でのフランツの「違う!!!あなたは恐れている!!!!!!彼女に拒絶されるのを!!!!!!!!!!!!!!」の彼の熱さもかなり好み
9月
①「TRUMP マリーゴールド」
②「アンスタ フェスティバル」
③「ナイツテイル」
①いやはや、もうきついです・・・(ほめてる)宝塚のように2幕にショーがないと、沈んでしまったこころが沈んだまま帰宅することになりきつかった・・・
③堂本光一さんがキラキラしていた、井上さんが楽しそうだった、超お金をかけたファンミーティングのようでした
10月
①「メタルマクベス Disc2」
③「ジャージーボーイズ White」
④「RE:VOLVER」
①大原櫻子さんが可愛い!!!歌も上手いし、ちょっとむちっとした二の腕も眼福
②フィナーレの芹香斗亜さんの前髪に観劇料の8割5分支払いました、フィナーレーの群舞だけをリピートしたい
③再演してくれて本当にありがとうございました
11月
①宝塚雪組「ファントム」
②KERA・MAP「修道女たち」
① 「ファントム」の一つの決定版。その瞬間に立ち会えたことにただただ感謝
③音くり寿さんが素晴らしかった!彼女の活躍をまた観たい!
12月
①新感線「メタルマクベス Disc3」
②宝塚花組「Delight Holiday」
③「スカイライト」
④「レベッカ」
2018年もたくさんの舞台を観られた、自分の好みも友人から誘われて知ったものも。 2019年もいろいろなものに出会えるといいな
11月まとめ
宝塚雪組「ファントム」
分かっていた、(冬とは寒いものだくらいに)分かっていたことだけど、望海さんと真彩さんの歌声が素晴らしかった!聴いていると脳みそがとろけていくような感覚。麻薬ですね!
一幕はエリックとフォンテーヌ、二幕はエリックと父の物語になっていて、宝塚を観ている!というよりはグランドミュージカルを観ている気分になっていた。最後のフィナーレを観て、宝塚だったわ・・・って思い出す勢い。
特に銀橋でのエリックと父の会話は思わず涙が・・・いや、父がしたことあかんやろ!と内心思いつつ、エリックとの会話を聞いていると涙が出るんだよ。
全体的に台詞は、あまりに直接的で歌のクオリティーと比べると「いや・・・台詞がもう少し洗練されて欲しい!!!!」と思った。(役者さんの言い方ではなくて台詞そのもの)それによって、エリックの幼さや直情的すぎる感じはよく分かるんだけど。望海さんの幼くて、ちょっと狂気的な姿はすごくよかったんですけどね。(そろそろ劇の最初からカラット明るく!人生を楽観している姿も見たいです。)
それにしても1ヶ月同じクオリティーで提供されると考えると劇団の経営がオペラ座並みに苛烈だなあと。喉、体を大切にやりきっていただきたい。(運営側にはそんなことを考えずに観劇できる日程を考えていただきたい)
(特に真彩さんの声が「ひかりふる路」のときより少しハスキーめな気がして、初めてお声を聴いた時の透明感が少々なくなって(他の魅力は出てきたんだろうけど)酷使しすぎでは・・・と)
KERA・MAP「修道女たち」
白塗りの顔が印象的。はっとさせられる台詞と思わず笑ってしまう台詞が重層的に重なりあって、最初は戸惑うけど、どんどん作品世界に引き込まれる。神とは何か、何を信じて生きるのか、閉鎖的な環境で何かに身を任せることの心地良さとそこから生まれる葛藤、困難、いろんなことを考えさせられたけど、私の頭ではとうてい理解できなかった・・・理解できないけど、ワインを飲む展開がなぜか納得できていて(本当のラストはよくわからなかった)と不思議。
神を信じている、そして、神から(神なのか、他人なのか、自分なのかは定かではないけど)さらに試される。その試しを受けてもなお神を信じたから、彼女たちは魂の列車に乗ったのだろうか。
閉鎖的な環境での話と思っていたが、人間の世界って根源的に閉鎖されているなあ、人間として生きるしかないものね・・・と数日経って思った。
それにしても、ケラさんが描く女性はみなさん本当に魅力的。
特に、鈴木杏さんの「ニンニー!」という声がふと思い出される。そして犬山イヌコさんの押さえた芝居がとても、とても、よかった!
新作はいいな。(エリザ、ファントムを観て、やっぱり再演される名作もいいけど、名作を生み出すためにも宝塚には新作主義であってほしい)
1幕は散らかっているように思えて不安があったが、2幕になると脚本家の直接的で普遍的なメッセージがばんばん感じられて、思わず涙が出そうだった。脚本の荒っぽさとまとまりのなさを役者が力でねじ伏せていて、ねじ伏せたことで、そのメッセージがより際立ったものになっていた。ラストの展開は「さすが宝塚!」なのか、脚本家の方の好みによるものか不明ですが、最後の掛け合いが楽しかったのでもうなんでもいい。
ところどころ、おもしろすぎやろ!と吹き出しそうになる場面もあったけど、それ以上の情動が心に打ち寄せることがたびたびあったので気にならなかったかな?
そして、主演の二人がとてもよかった!凪名さん、音さんがダブル主演のようでありながら、音さんは凪名さんに寄り添うと一番美しく見えて、娘役さんだと納得。歌もとても聴きやすく、リプライズが多く盛り込まれていて、好みだった。
10月観劇まとめ
宝塚千秋楽をLVで。
9月に劇場で観たときも思ったけど、お芝居部分がいい。LVなので細かい所までよく見えておもしろかった。「ルドルフの棺」と「夜のボート」のシーンで美弥フランツが愛希シシィの腕をつかもうする度、見事にすり抜けていて、もう辛い・・・そして珠希トートの包容力が凄まじい!死なのに安らぎを感じさせる、安らぎを感じさせて油断させおいて、本当は暴力的なんだ!という解釈もおもしろいかなと思ったけど、珠希さんはそんなダークな感じは一ミリもなかった。
何回も観ているのでもうさすがに飽きるかなと思うけど、観る度新しさを感じられて楽しい(さすがの芝居力)今回のエリザでは海月さんと輝月さんの演技が特に好みだった。それと、ドアップになった時の月城ルキーニの顔面の美しさが群を抜いていた。(他の方も美しいんだけど、彼女の美しさは整っていて、万人が認める系だなと)
「白鷺の城」
花組「雪華抄」で和物ショーって素敵だと思っていたので、わくわくしつつ。
以下私の心の中。
「なんとなーくストーリーがあるんだな」
「えっ!時代が交錯してる?うん?」
「おっ!父母が安倍晴明なんだな!ほうほう・・・」
「あっ!これ、転生の物語か!」
「結ばれる?!あっ死んじゃった!えっ!」
「また転生?うんうん。えっ!これで終わり?」
「ほんとに終わっちゃう?終わりなんだ・・・まじで・・・」
星風さんのちょっとツンツンした声が好きだった。
「異人たちのルネサンス」
登場人物全員からいろんな愛を向けられるヒロイン。真風ダヴィンチがひたすら魅力的!に描かれていたらいいのだけど、彼のヒロインへの愛も、あくまで理想のヒロイン像を押しつけちゃってる感じがあって残念。主演お二人の力業でラブストーリーらしくなっていたけど、脚本だけみるとラブストーリーなのか不明。
芹香さんがどちらとも色気たっぷりで目を惹いた。そしてフィナーレの群舞が素敵すぎた。ショーとお芝居をすべて忘れてしまう勢い。フィナーレだけリピートしたかった・・・
「メタルマクベス disc2」
東京まで遠征する余裕がなく、LVで。
尾上松也さんを歌舞伎以外で観るのは初めて。大原櫻子さんもほぼ初めて。
disc1と比べて若いカップル。濱めぐさんローズは夫の成功を願い、最後のチャンスとばかりにマクベスを唆すようだったけど、大原ローズは気まぐれに王妃になることを望んだ感じ。その分、後半の展開はしんどい。軽い気持ちでしたことが、予想もしない悲劇につながる苦しさだった。(disc1は決意して行ったけど、それを超える悲劇につながた感じ)
大原さんの歌唱力をもっと生かして欲しかった、というかもっと聴いてみたかった。徳永さんの演歌調の歌はおもしろかった。強いて言うなら、もっとパンチが欲しかったかな~。全体的に「メタル」を感じる瞬間は少なめ。
尾上さんは歌舞伎で観ると、他の役者さんとの違い(たぶん年齢とか経験とか)を強く感じて、なんだか舞台上で浮いている感じだったけど・・・新感線との相性はいいなあと。他作品での再登板も期待できそう。そしてLVなので、ドアップの顔を見ていると、「端正な顔だし、染五郎(現幸四郎さん)に似てない?!」と驚いた。
disc1.2を観たのだから、disc3も観たい。浦井さんのマクベス楽しみ。
「ジャージーボーイズ」whiteバージョン
中川晃教さん目立てで観劇。相変わらず人並み外れた歌唱力で、この人なしに「ジャージーボーイズ」はできなかったんだろうなと。喉の強さなのかなあ、とにかく人の声の可能性を感じた。舞台装置や演出もすごく工夫があって、おしゃれで観ていて飽きない!春夏秋冬、どの季節にも魅力があるように、フォーシーズンズの4人全員に魅力があった。
特にトミーの行動を冷静に考えれば、「この人ダメすぎる・・・」と思うんだけど(それに最初のシーンから見えるヤンキー特有の俺!俺!な感じ)、中河内さんが演じているからなのか、そういうことってあるよねと思わせられた(無理だけどね)いやー、フランキーなんで借金肩代わりするなんて言っちゃうの!ダメ絶対!と思うんだけど、それが「ジャージー」なんだろうか。
だんだんメンバーが減り、大ヒット曲を得て、スポットライトに照らされる時フランキーはたった1人。キラキラと美しいミラーボールが切ない。成功と幸せは同時にやってこない。それでもフランキーの歌声は人を引きつける魅力に溢れているし、その魅力はどんどん増していくようで。内容を観て胸は苦しいのに、耳から聞こえる歌声があまりに甘美で、中毒性の強いミュージカルだった。チケットと時間があれば、追加したかった。
今回初めましての海宝直人さん。歌が抜群。お芝居もお上手。端正な雰囲気。素敵でした。またどこかで観たいし、きっとまたお会いできる気がする。
「RE:VOLVER」
脚本演出の吉谷さんの舞台は「スタミュ」で観て、結構好みだった。 なので、期待しつつ。 2.5ではなくオリジナルということだったけど、少年漫画のような主人公とその仲間の話。 この人って少年心を持った人なんだなあ
回想シーンと現在が工作交錯して進んでいく脚本と演出はかなりスピード感があって爽快! 最後の展開はまるで「ノアの箱船」のようでいて、「ONEPIECE」を彷彿とさせるよう。 自分ではどうしようもできない、どこにも持って行きようもない青臭くて泥臭い若い気持ちをいろんなパターン(登場人物)で見せられたけど、 どれも私には顕在しなかった(しなくてすんだ)気持ちで、どこか憧れる(叶うはずがないからこそ望む)気持ちな気がした。だから少年漫画だと思ったかも。 殺陣もたくさんあって、アンサンブルの使い方もおもしろくて、ずっとどきどきはらはらさせられた。
安西慎太郎さんの声の出し方が好き。もちろん役自体も重要(主人公の相手役だから)なのだけど、それ以上の存在感。 安西さん演じる「アラキ」の物語だとほどだった。また彼のお芝居を観たい。
9/29 ナイツテイル観劇
9月29日ソワレ。
友人に貴重なチケットを譲っていただき観劇。
堂本光一さんを生で観るのは初めてで、客席もいつもの舞台のお客さんより、ジャニーズファンの方だろうという雰囲気の方が多く(言語化不能)客席全体がうきうきしている印象。来慣れた梅田芸術劇場に来ているのだけれど、なんだか別ジャンルのものに足を踏み入れたような錯覚を覚えた。光一さんすごいな~とこの時点で感心。
始まる前から見える舞台装置もかなり立派で、「いや~お金かかってるな~」とただただ目をみはった。いつも観てる舞台と同じ大きさのはずなのに、奥行きと横の広がりを存分に感じた。
シェイクスピア独特の言い回しがたくさん取り入れていて、ミュージカルというより、芝居と歌とダンスが融合した別の何かを観ている気分だった。ライトや舞台装置の使い方も目新しかった。話がおもしろいという訳ではなく、何を観ているのは分からないけど、新しいな~と単純におもしろかった。
(でも何回も観たいって感じじゃなくて、王道のミュージカルや芝居を観た上で、変わり種として観たいくらいだった、ちょっと言い方が悪いけど、めちゃくちゃお金と時間をかけた贅沢なファンイベントぽさを感じた)
ときどき、これ既視感あるなー(衣装とか、真ん中の舞台の使い方にある日本人が考えないような雰囲気)と漠然と思ったけど、2年くらい前に観た同じ演出家さんの「ハムレット」だったと帰りの電車で思い出した。そりゃ、似てるわ笑
ただ、ジョンさんの舞台が高尚すぎて、理解できてないんだと思う。
ストーリーはただただ馬鹿ででも憎めない男たちのとだばたコメディだった(ように見えた)、男の愚かさと女の賢さが対比されている感じ。争い主体でしかものを捉えられない男たちにいらだちを感じるけど、女性陣の聡明さと気高さに終始救われた。最後はハッピーエンドになっているけど、どたばた感で押し切られた感じだった。
ストーリーとしての楽しみを見いだすのは難しかったけど、エミーリアと牢番の娘とのやりとりが素敵すぎてずっと身もだえしていた。
出演者について
井上芳雄さんの舞台の上での輝きは言うまでもなくすばらしくて、毎度のことながら生で見られることに感謝でした。声に華があるんだなあ。いろんなことに挑戦される姿はすばらしいと思う。でも次は王道ミュージカルで観たい!
堂本光一さんは王子様でした。(多くの方が言っている通り。)発光してた。もちろん他の出演者も発光しているけど、明るさのレベルが違う。これが日本を代表するアイドルなのか!と。そしてお顔の作りが満点ですね、美しかった。とにかく美しくて、途中、「あんなに美しいのに、牢屋に入れられるって何でなん?」とストーリーを無視した疑問に襲われた。完全はソロ曲がなかったので、歌を聴いてみたかったなとは思う。
あと、周りのダンサーの人は巧すぎて、目を奪われてしまい、光一さんのダンスがよく見られなかった・・・のは反省点です。
一番気になったのは音月桂さんでした。
少年のような方のイメージがあったけど、ちゃんと美しく聡明な王の妹でした。でも意志も持っている感じがあって、またどこかで観たいなと。(歌もお上手だし、声も美しいかった、女子トークしている時の姿が本当にかわいらしく、いろんな表情をされる方だなと。)手足も長く、役に説得力のある気品がありました。
話題作を観ることができて、満足な反面、シェイクスピアの台詞がうまく日本語訳に乗っていない感じとミュージカルと台詞のバランスが私には合わなかった気がします。
でも舞台演出や役者さんそれぞれがすばらしく、素材がすこぶるいい何か「贅沢なものを観た」感が強かったです。
(もし再演されても行かないかな~、これだ!と思う歌がなかったな^ー^;)
TRUMPシリーズ「マリーゴールド」
娘のガーベラと共に、マリーゴールドの花に囲まれた屋敷で暮らす小説家のアナベルは、ある理由から周囲との関係を遮断していた。アナベルと交流があるのは、担当編集者であるコリウス(
すごくネタバレしています。
9月8日ソワレ。チケット難の中、貴重なチケットを譲って頂きありがたく観てきた。観劇前にDVDで「TRUMP」「LILIUM」「グランギニョル」を予習。
とにかく絶望の海に浸され、絶望にたたきのめされる覚悟で劇場に向かう。こんなにも心づもりをしてまで観たいなんて自分はなんてドMなのか、と少々自分の性癖にたじろいだ。まあ別世界設定がしっかりあって自分に火の粉が飛んでこない不幸を観たいというのは、超わがままだけどたぶん自分の中にある欲なのだろう。(言語化するとなんて非道な・・・)
劇場に入ると、マリーゴールドが咲き乱れる舞台、細かい照明に期待が高まる。(マリーゴールド一本一本がバカでかくてインパクトが大きいというか、怖い)
今回はミュージカルということで、場面ごとにまとまりというか、まとめのようなものがあってすごく見やすかった。(普段よくミュージカルを見るので、それもあるかな)
特に花言葉を紹介するコーナーはこの間宝塚花組でみた「BG」の一場面そのままで既視感がめちゃくちゃあった(末満さんも宝塚観た?)
詳しい友人からは「舞台に転がりながら登場する人がたいがい火元になる」といわれていたのでそれを頭に置いて観ていた。
案の定転がりながら登場した人は火元だった。というか、「LILIUM」観てるから、ある程度最後は予感していた。
位置づけ的に「不死のバンプとなったソフィのある日のできごと☆」という感じ。内容は☆なんて可愛いものじゃなかったけど。
だからかな、身構えて観たからかもしれないけど、思ったほどの衝撃はなかった、ただ観劇中、観劇後ボディーブローのようにじわじわ効いてきた。
前半の台詞から「TRUMP」から2800年経っていることがわかって、ソフィが登場した瞬間、「あ!この人2800年生きてきたんだねー、大変な人だわー」 となぜか強く彼に同情した。あのテンションで2800年生きるのはきつい。
それにしても舞台上の世界観に文明が進んだ印象を受けなかった。「TRUMP」の世界では時間は直線的に進むのではなく、円を描きながら回っているのかあと意味不明に納得したけど。というのも、ヴァンプと人間の関係とか、ダンピールの扱いとかが全然進歩も後退もしていないし、TRUMPによって支配されているヴァンプ世界があまりにも閉鎖的で行き詰まり感たっぷりだったから。もはや不幸の堂々巡りだね。
あくまで末満さんが創作した設定なんだけど、「現代社会で言えば、これじゃない?」と思うモチーフがいくつか思い浮かんできた。
たとえば。ダンピールが短命だということに対して、ヘンルーダー(だったかな)が「たとえ短命でも、生きている間幸せだったと思っていたらそれでいい」的なことをいうんだけど、ふと出生前診断の是非を思って辛かった。
その他いくつか印象的だったこと。
①「ヤン・フラ」という名前
「フラ家の人なの!?」何がどうなってキキちゃんとつながって2800年後の世界にも血が続いているの!?どういうこと?と大パニック!!フラ家とつながりがあるとしたらどうやって?(また不幸の匂いがする。)
②ダリデリコという伝説のヴァンプがいた設定
ダリちゃんが伝説のヴァンプなのはわかるけど、「伝説になる」ということはデリコ家は絶えてしまったの?それとも人間界の情報とヴァンプ世界の情報に隔たりがあるの?
③デリコ家とフラ家
「我は守護者なり」って大人たちが歌っている場面は「グランギニョル」のダリとゲルハルトを思い出した。ガーベラがフラ家の血を引いている(?)とすればペンネームとはいえ、ある意味デリコ家とフラ家の血を引く子という設定だなあと。ダリを守護するゲルハルトを思い出した。そういう思い出し、つながりというか「絆し」を随所に感じ、興奮しつつ、胸が痛んだ。
④ソフィが星に手を伸ばすこと
「TRUMP」を思い出して「あ”ーーーーー」と声にならない声が頭に響き渡った。ソフィは2800年経っても星に手を伸ばし、手に入れられないんだなと。それを与えられるクラウスを探しているんだなと。
この春宝塚歌劇で見た「ポーの一族」のエドガーとソフィが重なった。彼は人間からヴァンパイアになってしまったから全然違うのだけど、彼が劇中に「人に生まれて人ではなくなり愛の在処を見失った」と歌う。そのフレーズがよぎった。エドガーにはかりそめでも家族がいて、愛する妹がいた、そしてアランがいたからソフィのような孤独はないけれどね。
物語の終盤、アナベルがソフィに「あの子に永遠の命を!」とすがり、ガーベラが「永遠なんてくそくらえ!」とわめくのを観ながら、母の愛の強さと怖さを見た。
登場人物全員が(ソフィも含めて)誰かを愛し、愛されたいと願っているけど、誰一人としてこの願いを叶えられた人はいない。
特にアナベルは登場するほぼすべての人から愛され、みんな彼女に愛されたいと願った。全方向からの飢餓的な愛の欲求。見ていて苦しい、あんなに皆から求められるのに、それに答えたはずのヘンルーダへの愛の結果は本当に残酷。
その後、再びアナベルが愛を与えたいと思って行う、ガーベラへの愛は「永遠を与えること」でも、ガーベラは全く望んでいないんだよね。(登場人物すべての愛の矢印はねじれの関係で交わらないし、かなわない)
そして、この親子がソフィの地雷踏みすぎてて辛くなった。結末を知っているが故の観客の苦しみ。アナベルの望みもわかるけど、観客はソフィの側からのみられるからね。
ソフィが混乱して「Truth(真実)」じゃない「False(にせもの)」だと叫ぶのを観て、ここからファルスが誕生したのかな?と思った。
そして、2800年経ってもソフィは精神的に成長していないように思えて、成長しないのに、経験だけ積んでいくことになった結果があのクランの形になるのかとソフィに対する哀しさがあふれてきた。2800年間ウルごっこをし続けているのね。
そして今回なにより私が震えたのが、ソフィがアナベルを噛んだことにより、アナベルが後天的ヴァンプになったこと。(救いなさ過ぎでしょ)
アナベル(人間)はヘンルーダ(ヴァンプ)との間に子(ダンピール)をもうけ、それにより、彼女の世界はがらっと変わった。彼女と周囲を苦しめ、修復不能で悲劇的な最後を迎えることになった。それなのに、最後の最後、彼女を苦しめた問題は解決できるものであったと分かる。(ごく希に起こる後天的ヴァンプになれる人物だった、すなわち、ヘンルーダとの関係は絶対に解決不可能なものではなく、解決可能なことであったのに、それに気づいた時には解決不可能な状態が広がっている。解決方法が一か八かすぎて試せないものではあったけど。)
筏に乗って濁流に流され、滝壺に落ちる瞬間、筏なのにジェットエンジンがついていることに気づくけど、つけたところで反対に勢いよく滝壺に落ちるだけの状態。使うタイミングを誤らなければ、救いになり得たけど、ジェットエンジンがどっちに向けて発射するか分からないから、押せない的な。
何書いているのか、分からなくなってきたけど、とりあえず震撼した。
しかもそのタイミングでソフィにイニシアティブを握られたのが、不幸中の不幸。絶望ってこんな風にタイミングが重なって起こるものなんだなと「絶望」の発生にまで思いをはせてしまった。そりゃこうなるわ、って展開が分かっていながらことが震え続けた。
救いがないと思いながら、 「LILIUM」でのマリーゴールドを思い出し、彼女には愛された過去があったのだなとしみじみ。
「TRUM」シリーズが進むにつれ、どうしようもない絶望が覆ってきているけど、ここまで観たら、完結まで観たいという気持ち。誰も悪いことしてやろうと思っていないのに、(クラウスやソフィ、ダミアンたちの行動も含めて)みんなの行動をあわせると悲劇にしか到達しないのが、きついけど。どうか完結する日を観られますように。
役者さんそれぞれについて
宝塚のトップスターさんだったころから、何度か拝見していた。退団されてからも観たことがあり、わざわざ観に行っているわけではないのに縁があるなあと。
相変わらずの気品のある美貌でアナベルにぴったり。役柄の持つ、気高く意志の強い性格を相まって近寄りがたいほど。アナベルの笑顔は、回想シーンでのヘンルーダに妊娠を告げるシーンだけ。意図した演出だろうけど、きつい。(これまで観たのも「男装の麗人」と「不幸な花魁」でいつも薄幸そうな役)
彼女自身が持つ陽性のオーラをびしびし感じられる作品に出て欲しいなあと思いながらあの美貌を生かすのはやっぱり不幸な役なのかなとも思う。
宝塚の頃は歌うまいと感じたことはなかったけど(歌ダンスというより芝居巧者のイメージでした)うまくなってるのかな?あまりわからなかった。一緒にいった友人は歌がうまかった!と言っていたのでそうなのかもしれない。圧倒的うまさではないけど、ミュージカルらしく感情を感じるものでした。
ガーベラ(田村芽生さん)
上手!歌ももちろん、お芝居もすごく目を惹く。まだ19歳を聞いてびっくり!繭期の彼女しか観たことないのは辛い。とりあえず 繭期を超えてもっといろんな舞台で観たい!
「レミゼ」のエポニーヌとか!「モーツァルト」のコンスタンスとか!いや直近でいえば「ロミジュリ」のジュリエットでもいい!とりあえず繭期卒業させてあげたい。
エリカ(愛加あゆさん)
宝塚のころから結構好きだった人。安定感のあるお芝居と歌、ダンスと何をしても期待値以上を出してくれる退団されてから観るのは生で観るのは二回目かな。歌がすごくうまくなっているというか、聴かせ方、見せ方が娘役から一皮抜けて素敵でした。美しさにも磨きがかかった印象。壮さんと二人で歌ってる場面は二人とも宝塚の頃とは関係が変わったせいか凄くかっこよかった。こんな風に二人を観られるとは!
エリカという役柄自体はとらえにくく、難しいなと。姉への愛情と姉が愛するガーベラへの思い、ヘンルーダへの思いは一筋縄ではいかない。姉を喪った悲しみやいらだちだけだと、嫌な女感が出てしまうけど、可哀想な人でもあった。ヴァンプに翻弄された人間。(不可侵条約は必要だわ)
スタイル良すぎて混乱。歌も普通にうまいし、この人どこから来た人なのかなと思ってたら、テニミュ出身者だった。しかもテニミュで観たことあったし。痩せていて分からなかったのかな?ということにしておく。
コリウスは冷静に考えるとアナベルへの思いが強すぎてヤバめな人間だけど、ヘンルーダの行動と対比や、東さんご本人の演じ方や生来の雰囲気からヤバさは緩和されていた。というか、人間ではないのではないのかもしれないと思ったりもした。
ヘンルーダ(吉野圭吾さん)
久しぶりに吉野さんを観られて嬉しい!観るたびに私結構ファンだわ!と思う。でもわざわざ彼目当てでは観に行かず、行った舞台に彼がいたらラッキーくらいなのでファンを名乗るのはおこがましい。でも吉野さんが全力のエネルギーで舞台に立っちゃったら、他の役者とバランスがとれないでしょ!と心配するくらいには好き!
実際冒頭のダンスではだれよりもキレがあった。実年齢とのギャップ!
役柄にはもう怒りしかなかった、怒りを超えて呆れかな・・・
ソフィのクランを脱走して、逃げ延びるヤンと、大人になってからのヘンルーダに共通点がないなと思ってたけど、違うわ。アナベルたちを守るために街に放火しちゃってるし。やっていいことと悪いことの倫理観ないやつだわ。
それになにより、なんでアナベルを妊娠させてるの!!君、分かってる?君がこの件にかんしてだけ言えば、主犯ですよね!人間のアナベル、エリカの世界に踏み込んで、彼女たちを巻き込んだ。
「愛さずにはいられなかった!」と言ってたけど、冷静に聞くと「言い訳が過ぎる・・・」主語がないので、誰を愛したのか微妙に濁されているけど。
振り返ってみると「TRUMP」シリーズの事件の発端はまあTRUMPなんだけど、一つ一つの原因は身勝手な男の行動とその結果が生み出していることが多いよね。
ダンピールに対してそんなに差別意識があるんだったら、避妊して!って心底思った。(そんなこと言ったら元も子もないのは分かっているけど)
男は弱くて、女は強くたくましいっていうのがこのシリーズの男女観で、脚本家さんの性意識なのかなとふと思ったのでした。男性脚本家には多いのかな?
なんだかんだ思ったけど、次回作も楽しみです。
ところで、「TRUMP」シリーズを観ると毎回恩田陸さんの小説を思い出すのですが、そんなことありますか?マリーゴールドに囲まれた屋敷という設定の小説もあった気がする。その結末はマリーゴールドの匂いを死臭を消すために使っていたというものだったので、話の展開は全然違うけどね。