2019年1月まとめ

1月4日・27日宝塚星組「霧深きエルベのほとり/エストレージャス」

宝塚星組で観劇はじめ 。

上田久美子脚本にはいつもべたべたに泣かされてきていたので(特に星逢)めちゃくちゃ気合いを入れて席に座る。

なぜなら初宝塚で観劇オタクでもない友人と一緒なので、横でびょーびょー涙を流してたらびびるよね・・・という配慮。

 

タイトルの出し方が好き!ビール祭りの楽しすぎる衣装(ビールのコスプレのやつ)を観ながら「あぁタカラヅカを観ているんだなあ」としみじみ。 それにしても紅さんとあーちゃんが可愛すぎて、ふたりで肘をついてほほえみあっている場面とプロポーズの場面はにやにやが止まらなかった、圧倒的に可愛いもの を見ると顔が調整できなくなるみたい。 ただ久美子脚本のわりにいけるかも!って思ってた私がばかだった、「僕が文士だったら」の台詞から酒場でカールが本心を語るシーンでダダ泣き。

とても美しい言葉がちりばめられていて、すっごく余韻たっぷりでビール祭りの間のほんのひとときの出来事のように描かれていながら、時間の流れに余裕を感じる味 わい深い作品。 終演後、友人と「ふか」って久しぶりに聞いたよね!というか生で聞いたの初めてかも!とあらすじよりもなにより「ふか」が話題になったのが新鮮だった

 

エストレージャスはJーPOP多用に驚いた、まあ逆説的に宝塚のオリジナル曲のありがたみをかんじる

いつもならオリジナル曲の歌詞の意味不明さに笑うとこだけど、ないと宝塚のレビューをみている感じが減っちゃって残念、勝手なファンです

やさぐれた世界みたいな歌詞の場面(ヤヌスの鏡?)は、この後やさぐれ解消の何かしらが起こるのかと思ってたらやさぐれたまま終わってた。

とりあえず礼真琴さんが歌、ダンスの技術で抜きんでてて圧倒された。この人なんでもできるんだ~とごく当たり前の感想。

あーちゃんが何を着ても可愛くて、可愛いと具現化した一つのパターンがあーちゃんなのね~とぼんやり考えてたら、終わった。

 

2回目の27日は有紗瞳さん演じるシュザンヌが前よりなじんでいて、よかった。初めて見たときはフロリアンに突然好きといったり、シュラック家の霧は深い的発言がちょっと浮いているように感じて、この子どうしたの?と正直思っていた。でもこの子どうしたの?と思わせるのが味噌なんだよね、たぶん。みんなそれぞれ賢明に生きている感じや、周りを俯瞰的にみる瞬間もあれば、ただ目の前しか見えない瞬間もある。そう思わされるなかなか興味深い人物だった

マルギットとは雰囲気の違う姉妹で、どんな姉妹の会話をするのかなと。

 

 

1月19日「スリル・ミー」

スリルミー好きの友人に誘われ初観劇。柿澤彼松下私。

始まりの静寂がなかなかな静寂で、まだ始まってもないのに呼吸をするのも憚られるくらい。 その時点でめちゃくちゃ緊張した。観劇でここまで緊張するのは久しぶり。(いつ以来だろう・・・考えたらイキウメの「散歩する侵略者」くらいかなあ、あれは小さい劇場だからってこともあるので、ブリーゼ規模であそこまで静寂になることが新鮮だった)まるで観客などいないかのようなステージの進行にただただ引き込まれた。とにかく雰囲気を壊したくないから、息をのむこともただ呼吸することも遠慮するような気分。それなのに生唾を飲むシーンが多くて困った。

それとなぜかミュージカルだということを忘れていて、めっちゃ歌うなんやなーをぼーっと見た。ぼーっとしていたけど、恐ろしいほどこころはかき乱されていたらしく、スリルミースリルミーという歌詞と、誘拐するときの彼の様子、裁判の後の私がときどきフラッシュバックする。

 

二人の関係は共依存ぽかった。相手のことを自分の都合の良いようにしか見ていないけど、相手がいることで自分を保っているような。職場に共依存的関係をしている人がいて、近くにいるものとしてはすごくストレスフルなこともあって、そう思うとどん引きしつつ、舞台そのものには引き込まれた。

結末までみると、もう一回最初から見たい!と思わせられて・・・再演希望です

いろんなペアで定期的にやって欲しい演目ですね、これ。(「定期的にやっている」という事実が結構救いになるタイプのやつ。)

松下洸平さん初めて拝見。どんな色にも染まれそうな雰囲気で、またどこかで見たいなあ。柿澤さんは何回か拝見しているけど、思ったより体格いいのか、松下さんが小柄なのかよく分からなかった。相変わらず歌が上手い。それにしても誘拐シーンが気持ち悪いほど(ほめている)変人だった。ニーチェの神についての発言がデスノートを思い出させてくれて、内心笑った。この人よく神発言するよね・・・って感じで。

とりあえず2019年しょっぱなから、かなり好みの舞台を見られて満足。